20代・男性
知的障害
知的障害があり、これまで働いた経験のなかった20代男性。仕事の内容や職場のルールが分からず、自分に働けるのか不安を感じていました。相談支援員の紹介で就労継続支援B型事業所「リハスワーク」の利用を開始。週3日の通所と軽作業から始め、現在は生活リズムを整えながら、一般企業への就職を目標に一歩ずつ準備を進めています。
「働いてみたい。でも、仕事をしたことがないので、自分に何ができるのか分からない」
知的障がいのある20代男性のこの方は、学校を卒業してから働いた経験がなく、自宅で過ごす日々を送っていました。仕事の内容だけでなく、決まった時間に通えるのか、作業の手順や職場のルールを覚えられるのか、人とうまく関われるのか。経験したことがないからこそ、働くことにさまざまな不安を感じていたといいます。
相談支援員の紹介をきっかけに、就労継続支援B型事業所「リハスワーク」の利用を開始。週3日の通所と袋詰めなどの軽作業から始め、現在は週4日の通所を続けながら、一人でできる作業を増やしています。
「自分にもできる仕事がある」と感じられるようになり、一般企業への就職も将来の目標として考え始めたご利用者さまに、初めて仕事を経験して感じた変化や、これから目指したい働き方について伺いました。
――リハスワークを利用する前は、どのような生活を送っていましたか?
「学校を卒業してから働いたことがなく、家で過ごす時間が多かったです。スマートフォンで動画を見たり、ゲームをしたりして、一日が終わることもありました」
――当時、どのようなことに悩んでいましたか?
「周りの人が働いているのを見て、自分も何かしなければいけないと思っていました。でも、働いた経験がないので、自分に何ができるのか分かりませんでした」
――仕事について、どのような不安がありましたか?
「毎日決まった時間に通えるのか、仕事のやり方や職場のルールを覚えられるのかが不安でした。人とうまく話せるか、失敗して怒られないかも心配でした」
――就労継続支援B型を知ったきっかけを教えてください。
「相談支援員さんから教えてもらいました。すぐに一般企業へ就職するのではなく、自分のペースで通いながら、仕事をするための経験を積める場所だと聞きました」
――最初は、B型についてどのように感じましたか?
「何をする場所なのか、よく分かりませんでした。働いた経験がなかったので、『作業をする』と言われても、どのようなことをするのか想像できませんでした」
――リハスワークを見学したときの印象を教えてください。
「ご利用者さまが、それぞれの作業に取り組んでいました。静かに集中している人や、分からないことをスタッフの方に質問している人もいました」
――リハスワークを利用しようと思った決め手は何ですか?
「自分に合う作業から始められることです。将来についてまだ決まっていなくても、いろいろな仕事を経験しながら考えられると聞き、やってみようと思いました」
――利用を始めた頃は、週に何日通っていましたか?
「最初は週3日から通い始めました。毎日通う自信がなかったので、まずは無理なく続けられる日数から始めました」
――初めて通所した日は、どのような気持ちでしたか?
「とても緊張しました。どこに座ればよいのか、何をすればよいのか、分からないことがたくさんありました。スタッフの方が、一日の流れや作業する場所を一つずつ説明してくれました。困ったときは声をかけてよいと言ってもらい、少し安心しました」
――現在は、どのくらい通っていますか?
「今は週4日通っています。最初は通所した次の日に疲れることもありましたが、少しずつ慣れてきました。週4日通えるようになったことは、自分の自信にもなっています」
――リハスワークに通い始めて、生活リズムに変化はありましたか?
「利用する前は、夜遅くまでスマートフォンを見て、朝起きる時間も決まっていませんでした。今は通所する時間に間に合うように起きています」
――通所の準備は自分でしていますか?
「最初は家族に確認してもらっていました。今は前の日にかばんや持ち物を準備し、忘れ物がないか自分で確認するようにしています」
――現在は、どのような作業に取り組んでいますか?
「商品の袋詰めやシール貼り、部品の数を数える作業、完成したものに間違いがないか確認する検品などに取り組んでいます」
――初めて作業をしたときは、どのように感じましたか?
「緊張しました。作業の順番を覚えられるか、数を間違えないか心配でした。周りの人より遅かったらどうしようとも思いました」
――最初に難しいと感じたことは何ですか?
「一度にたくさん説明されると、途中で分からなくなることがありました。部品を入れる数や、シールを貼る位置を間違えることもありました」
――現在は、どのように作業を進めていますか?
「完成した見本や写真付きの手順表を見ながら、一つずつ進めています。全部を一度に覚えようとせず、一つの作業が終わってから次の手順を確認しています」
――リハスワークに通って、できるようになったことを教えてください。
「最初はスタッフの方と一緒でないとできなかった作業が、今は手順表を見ながら一人でできるようになりました」
――どのようなときに成長を感じますか?
「前に取り組んだ作業の手順を覚えていたときです。スタッフの方から『一人でできていますね』と言ってもらえると、うれしいです」
――特にうれしかったことはありますか?
「検品をしているときに、自分で間違いを見つけられたことです。以前は確認しても間違いに気づけないことがありました。自分で気づいて直せたときは、きちんと仕事ができたと思いました」
――初めて工賃を受け取ったときは、どのように感じましたか?
「自分が作業をしたことで工賃を受け取れたことがうれしかったです。自分も仕事をして、誰かの役に立てたと感じました」
――スタッフから受けた支援で、特に助かったことを教えてください。
「作業を一つずつ区切って説明してくれたことです。一度に全部説明されるより、最初にすること、次にすることを順番に教えてもらうほうが分かりやすいです」
――作業を間違えたときは、どのように対応してもらいましたか?
「すぐに怒られるのではなく、どこで分からなくなったのかを一緒に確認してくれました。次に間違えないための方法も教えてもらえたので、失敗しても、もう一度やってみようと思えました」
――これから挑戦したい作業はありますか?
「まずは、今取り組んでいる作業を、できるだけ間違えずに一人で進められるようになりたいです。その後は、今まで経験したことがない作業にも挑戦したいです」
――将来は、一般企業への就職を目指していますか?
「今は、いつか一般企業で働きたいと思っています。以前は自分には無理だと思っていましたが、リハスワークでできる作業が増えて、少しずつ考えられるようになりました」
――一般就職に向けて、どのような準備が必要だと思いますか?
「決められた日に安定して通うこと、時間を守ること、作業を正確に行うことが必要だと思います。分からないときに質問することや、自分が疲れたとき、困ったときにスタッフの方へ伝えることも大切だと思います」
――現在の一番近い目標を教えてください。
「今の週4日の通所を安定して続けることです。生活リズムや体力がもっと安定したら、週5日通えるようになりたいです」
――最終的な目標を教えてください。
「自分に合う仕事と働き方を見つけ、一般企業で長く働くことです。就職することだけを目標にするのではなく、就職した後も無理なく仕事を続けられるようになりたいです」
――B型を利用して感じたことを教えてください。
「B型は、ただ作業をするだけの場所ではないと思います。生活リズムを整えたり、仕事のルールを覚えたり、自分の得意・苦手を知ったりすることができます」
「自分は、袋詰めやシール貼りから始めました。できる作業が増えると、一般企業で働くことも少しずつ考えられるようになりました」
――最後に、利用を検討している方へ伝えたいことはありますか?
「気になる事業所があれば、まずは見学や体験をして、作業や雰囲気を確かめてみるとよいと思います。自分にできる仕事があるか不安でも、実際に経験してみると、できることや目指したいことが見つかるかもしれません」
利用を始めた頃は、働いた経験がないことから、作業の進め方や事業所での過ごし方に不安を感じている様子が見られました。
特に大きな成長だと感じているのは、ご本人が「できない」と決めつけるのではなく、「どのような方法ならできるか」を考えられるようになったことです。週3日から始めた通所も現在は週4日となり、生活リズムや働くための体力も整ってきています。
一般就職は、就職すること自体がゴールではありません。自分の得意・苦手を理解し、必要な配慮を伝えながら、無理なく仕事を続けられることが大切です。これからもご本人のペースと希望を尊重し、施設外就労や新しい作業への挑戦を通じて、自分に合う働き方を見つけられるよう支援していきます。
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