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改めまして。僕という人間について。

改めまして。僕という人間について。

2026/9/7

ソラスミソン株式会社の代表取締役をしています、仙波久武です。
松山市で、就労継続支援B型事業所リハスワーク松山を運営しています。

このブログでは、事業所のことや、ものづくりのこと、福祉について思うことなどを書いてきました。

でも、それを書いている僕自身がどんな人間なのかについては、あまり書いたことがありません。今回は少し、自分自身のことを書いてみようと思います。自分で自分を説明するのは、なかなか難しいのですが。笑

頭の中で想像した景色のイラスト

頭の中で、先に景色をつくる

昔から、まだ無いものを想像することが好きでした。

「こんなものがあったら面白いな」

「こんな場所になったらいいな」

「こんな仕事ができたらいいな」

そんなことを考えているうちに、頭の中にだんだん完成した景色ができてきます。想像というより、妄想と言った方が近いのかもしれませんね 笑

形はどうするか?

誰とやるか?

どんなふうに使われるか?

そこにいる人が、どんな表情をしているか?

ある程度そこまで見えてくると、「じゃあ、そこへ行くためには何をすればいいんだろう」と動き始めます。僕にとって何かを始めるというのは、
頭の中に先にできた景色へ、現実を少しずつ近づけていくこと」
なのだと思います。

ただ、その方法にはあまり執着しません。自分が間違っていると思えば、考えを変えます。人の話を聞いて、その方が良いと思えば、そちらを選びます。昨日言っていたことと今日言っていることが違っても、それほど気になりません。昨日より今日の方が情報が増えていて、より良い答えが見えているのなら、変えた方がいい。

間違えないことより、
「間違いに気づいたときに、きちんと考えを改められること」
その方が大切だと思っています。

自分より得意な人がいるなら任せたい。自分にはない考えを持っている人がいるなら、その意見を聞きたい。

最初に僕が想像していたものより、最後にできたものの方が良ければ、それが一番です。

車や皿、服のイラスト

美しいもの、よくできたものが好きでした

僕は昔から、美しいものや、よくできたものが好きでした。

アートもその一つです。

ただ、誰もが知っている有名作家だから欲しいというわけではありません。今ではあまり名前を聞かなくなったけれど、確かにある時代に輝きを放った作家。いつの間にか人々の記憶から薄れてしまった作品やなかなか理解されにくい抽象作品。そんなものにも惹かれます。

世間でどれだけ評価されているかよりも、自分で見て、「これはいい」と思えるかどうか。誰かに価値を教えてもらうのではなく、自分の目で価値を見つけることが好きなのだと思います。そんな作品が、気がつけば手元にずいぶん増えました。

車も散々道楽しました。

若いころからスポーツカーが好きで、ロータリーエンジンのスポーツカーにも乗りました。古い時代のポルシェ911にも乗りました。フェラーリは20年ほど所有しました。

車の速さだけではなく、機械としての美しさや音、佇まい、その時代の思想まで含めて好きでした。

服にもずいぶん道楽をしました。

パンツならナポリのパンツ専業の職人がつくるもの。シャツならシャツ専門の工房がつくるもの。ブルネロ クチネリの持つ、力の抜けた優雅さにも触れました。キートンのカシミアスーツという、別世界のような上質な服も実際に着てきました。

食器では、エルメスを集めていた時期もあります。

世の中には、値段だけでは説明できない美しいものがあります。

素材が違う。

つくりが違う。

細部に込められた考え方が違う。

知る人ぞ知る、そんな世界を自分なりにずいぶん見て、触って、楽しんできたと思います。

ガレージと車のイラスト

豪華さではなく、本物を見せる

家を建てるときにも、自分が思い描いていたガレージハウスを形にしました。

ただ、豪華に飾り立てた家をつくりたかったわけではありません。

構造体の柱すべてに、21センチ角の国産無垢材を使いました。梁は大きなもので、幅42センチほどあります。

そして、その太い柱や梁を壁の中に隠さず、構造そのものが見えるようにつくりました。何かで覆って豪華に見せるのではなく、建物を支えている本物の素材そのものを見せる。

僕は、そこに美しさを感じます。

考えてみれば、昔からそうなのかもしれません。本当に良い素材や、本当に良いつくりであれば、必要以上に飾らなくても、それ自体が美しい。

高価なものを並べることが豊かさなのではなく、何にお金をかけるのか?どこは普通でいいのか?何を足して、何を引くのか?

それを自分で選べることの方が大切なのだと思います。

空想をしているイラスト

最上を知るからこそ、選択できる普通

今の僕は、自分を飾ることにはほとんど興味がありません。

服はユニクロやGUで十分です。

車も軽自動車に乗っています。

だからといって、昔好きだったものを否定しているわけではありません。

フェラーリの良さも知っています。
キートンの別世界のような上質さも知っています。
アートの深い世界も知っています。
ブルネロ クチネリの優雅さも知っています。
エルメスの食器の美しさも知っています。

それを実際に知ったうえで、「今の自分には、これは必要ない」と言える。逆に、「ここだけは本物を使いたい」というところも分かる。

僕はそれを、「最上を知るからこそ選択できる普通」だと思っています。

高価なものを選ぶことより、自分なりの物差しを持って選べること。今となっては、いろいろな道楽をしてきたことで得た一番大きなものは、そこなのかもしれません。そして、この感覚は今の仕事にもかなり生きている気がします。

男性が遠くを見つめているイラスト

50歳を前に、「もう自分のことはいいかな」と思った

50歳が近づいてきた頃、自分のこれからの人生について考えるようになりました。

欲しいと思ったものは、自分なりに十分手にしてきました。

好きな車にも十分に乗った。

好きなアート作品も手元にある。

服も、食器も楽しんだ。

思い描いていた家も建てた。

もちろん、上を見ればきりがありません。もっと高価な車もあります。もっと有名な作品もあります。もっと贅沢な暮らしもあります。

でも、そういうことではありません。

自分の中で、
自分のために欲しいものを追いかけることは、もう十分やったな」
と思ったのです。

次に何かを一つ手に入れたら、それはそれでうれしいと思います。でも、それがこれからの人生で一番やりたいことなのか?そう考えると、何か違いました。

人生も半分以上が過ぎています。

残っている時間を何に使うのか。

そんなことを考えるようになりました。

次男が描かれているイラスト

その頃、次男の卒業後を考えるようになった

僕には、障がいのある次男がいます。

その次男が支援学校の高等部1年生になった頃、「卒業後」という言葉が急に現実味を帯びてきました。

学校を卒業したあと、どこで過ごすのか?
どんな仕事をするのか?
どんな人たちと関わって生活していくのか?

親である僕たちが、いつまでもそばにいられるわけではありません。

その頃から、障がいのある方をめぐるニュースの見え方も変わりました。
ときどき報じられる虐待や不適切な支援。以前なら、「ひどい話だな」とニュースの向こう側の出来事として見ていたことを、
「もし、これが自分の息子だったら」と考えるようになりました。

自分が知らないところで嫌な思いをしていても、それを十分に伝えられなかったらどうするのか?一人の人間として大切に扱ってもらえるのだろうか?
親が年を取り、いなくなったあとも、安心して暮らしていけるのだろうか?

親として、怖さもありました。

そして思いました。僕が福祉の仕事を始めたからといって、世の中の問題が全部なくなるわけではありません。

でも、

「ここなら自分の息子を通わせてもいい」

と思える場所を、自分で一つつくることはできるかもしれない。

ただ、家族が安心できるだけでは十分ではありません。何より本人が「ここで働きたい」「ここなら自分らしくいられる」と思える場所でなければ意味がない。僕は、そう思っています。

そして、それは自分の息子だけではなく、ほかの障がいのある人にとっても、少しは良い環境になるかもしれない。

ちょうど、「もう自分のためだけに生きなくてもいいかな」と思っていた時期でもありました。それなら、これまで自分のために使ってきた時間やエネルギーを、これからは別のことに使おう。

これからの人生を、障がい福祉に捧げよう。

そんな気持ちで、この世界に飛び込みました。

5人の人が作業をしているイラスト

福祉だからこそ、「これでいい」にはしたくない

僕は、何十年も福祉の世界を歩いてきた専門家ではありません。
知らないこともたくさんあります。だから、スタッフやご利用者様、同業の方、周囲の先輩方から教えていただきながらやっています。

一方で、福祉の外から入ってきたからこそ、「なぜ、こうなっているんだろう」と思うことがあります。

「福祉では普通です」

と言われても、「本当にこれが一番いいのかな」と考えてしまう。
だからといって、福祉事業所を豪華にしたいわけではありません。

高価な家具を並べれば良い場所になるとも思いません。ブランド物を置けば豊かになるわけでもありません。

でも、

「福祉だから、このくらいでいい」

という考え方にもしたくない。必要なところには、きちんと手をかける。
必要のないところには無理にお金をかけない。高価なものと安価なものが一緒にあってもいい。古いものと新しいものが一緒にあってもいい。

その場所にとって何が本当に必要なのかを、自分たちで考えて選ぶ。僕がこれまでいろいろなものを見て、触れてきた経験は、そんなところで役に立っているのだと思います。

最上を知っているからこそ、普通を選べる。

そして、その普通を雑にはしない。

これは今の事業所づくりにも、これから先の仕事にも、自分らしく表れていく部分だと思っています。

スタッフとご利用者様のイメージイラスト

人を見るときにも、少し似ています

リハスワーク松山には、いろいろなご利用者様がいます。得意なことも違えば、苦手なことも違います。

僕は、その人が「何ができないか」だけを見るより、「この人は、どこなら力を発揮できるんだろう」と考える方が好きです。

ゆっくりだけれど、とても丁寧な人。
人と話すのは苦手でも、黙々と同じ作業を続けられる人。
小さな違いによく気づく人。
絵が好きな人。
パソコンが得意だけど繊細な人。

そんなことを見つけると、「じゃあ、この人に合う仕事をつくれないだろうか」と考えます。ただ、障がいがあるから何かをしてあげたい、ということではありません。その人自身が選び、働き、役割を持てる選択肢を少しでも増やしたい。僕がしたいのは、むしろそういうことなのだと思います。

考えてみれば、アートを見るときと少し似ているのかもしれません。有名かどうか?多くの人から評価されているかどうか?分かりやすいかどうか?それだけで価値を決めるのではなく、
「ここには、ちゃんと良いものがある」
と、自分の目で見つける。人についても、そんな見方をしていたいと思っています。

スタッフとご利用者様が話したり作業をしているイメージイラスト

一人ではできないから、人の力を借りる

もちろん、リハスワーク松山で取り組んでいることを、全部僕が思いついているわけではありません。

人から教えていただいたこと。
何気ない会話。
誰かからいただいたご縁。

そこから始まったことがたくさんあります。

たとえば麦ストローは、東温市にあるJWF(ジェイウィングファーム)の牧社長から教えていただきました。

麦の茎がストローとして使えると聞いて、「それは面白い」と思う。すると、「リハスワーク松山の仕事にできないだろうか」「どんな工程ならご利用者様が関われるだろう」と、また頭の中でいろいろな想像が始まります。

ありがたいことに、牧社長に限らず、僕の周りにはいろいろなことを教えてくださる素敵な大先輩がいます。

「こんなことをやってみたら」

「この人に会ってみたら」

「こういうやり方もあるよ」

と教えていただく。

本当にありがたいことです。
自分一人の頭の中だけで考えられることには限界があります。誰かから一つの種をいただくと、それを自分なりに膨らませる。得意な人には任せるし、また別の人の考えが加わる。そして、最初に自分が想像していたものより、少し良いものになっていく。そんな仕事の進み方が好きです。

スタッフが想像しているイラスト

これからの時間を、何に使うか

こうして自分のことを書いてみると、昔からやっていることは、案外変わっていないのかもしれません。

まだないものを頭の中に描く。
自分の目で良いものを見つける。
面白いと思ったら動いてみる。
人の知恵を借りる。
得意な人には任せる。
違っていたら修正する。
そして、また少し先の景色を想像する。

昔は、その力を自分の趣味や暮らしにもずいぶん使いました。今は、それを障がい福祉に使ってみたいと思っています。自分のために欲しいものを追いかける時期は、十分に楽しみました。もう、自分のことは十分なのです。

今は、自分が持っている時間や経験、人とのつながりを使って、障がいのある人の仕事が一つ増えること。安心して過ごせる場所が一つ増えること。その人自身や家族が、「ここなら大丈夫かもしれない」と思える環境を少しでも増やすこと。そんなことに、これからの人生を使っていけたらと思っています。

豪華なものをつくりたいわけではありません。
世間を驚かせたいわけでもありません。

でも、せっかくつくるのであれば、
「これでいい」ではなく、「これがいい」と思えるものをつくりたい。
そのために、これまで見てきたものも、経験してきたことも、人との出会いも、全部使えばいいと思っています。

僕一人でできることは限られています。

だから、これからもいろいろな方に教えていただき、助けていただきながら進んでいきます。間違っていたら直しますし、良い考えがあれば取り入れる。任せるべきところは任せる。そして頭の中では、相変わらず少し先の景色を妄想する。たぶん、そんなことをこれからも続けていくのだと思います。

リハスワークの事業所内の写真

このブログを通して、「リハスワーク松山は、どんな事業所なのか」と同時に、「仙波という人間は、こんなことを考えながらやっているんだな」ということも知っていただければ嬉しく思います。

これからも、どうぞよろしくお願いいたします。

追記:僕は自分をさらけ出すのが苦手な人です。でも、皆のために自分をさらけ出すことは不思議と大丈夫でした。この記事を書きながら、そんな自分自身にも初めて気づきました。

ソラスミソン株式会社
就労継続支援B型事業所 リハスワーク松山
代表 仙波久武

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