2025/12/1

「障害者手帳を取得すると、仕事にどんな影響がある?」
「会社に障がいがあることを知られてしまう?」
「障害者雇用で働くと、給料が下がるの?」
「手帳を取ったら、一般雇用では働けなくなる?」
障害者手帳の取得を考えたとき、このような不安を感じる方は少なくありません。
結論からいうと、障害者手帳を取得したからといって、働き方が一つに限定されるわけではありません。
一般雇用で働くこともできますし、障がいを開示して障害者雇用枠で働くこともできます。体調や現在の状況によっては、就労移行支援や就労継続支援A型・B型などを活用しながら、自分に合った働き方を探すこともできます。
障害者手帳は「できることを制限するもの」というより、必要な支援や配慮を受けながら、自分らしい生活や働き方を選ぶための選択肢を広げるものと考えると分かりやすいでしょう。
この記事では、
障害者手帳とは何か
障害者手帳を取得するメリット・デメリット
障害者手帳を持っていることは会社にバレるのか
障害者雇用と一般雇用の違い
障害者手帳があると選べる働き方
就労移行支援・A型・B型の違い
自分に合った働き方の選び方
まで、就労の視点を中心にわかりやすく解説します。
障害者手帳を取得することで大きく変わるのは、一般雇用に加えて「障害者雇用」という選択肢を持てるようになることです。
一方で、障害者手帳を取得したからといって、
「必ず障害者雇用で働かなければならない」
「現在の会社に必ず伝えなければならない」
「一般企業では働けなくなる」
ということではありません。
自分の障がいを会社に伝えず一般雇用で働く「クローズ就労」を選択することもできます。
そのため大切なのは、「手帳を取るべきか」だけで考えるのではなく、自分はどのような環境であれば、無理なく安定して働き続けられるのか
という視点で考えることです。
障害者手帳とは、一定の障がいがあることを公的に証明する手帳の総称です。厚生労働省では、次の3種類を「障害者手帳」としています。
身体機能に一定以上の障がいがある方を対象とした手帳です。
対象となる障がいには、
視覚障がい
聴覚・平衡機能障がい
音声・言語・そしゃく機能障がい
肢体不自由
心臓・腎臓・呼吸器などの内部障がい
などがあります。
障がいの程度に応じて、原則として1級から6級までに区分されます。
身体障害者手帳には原則として有効期限はありませんが、障がいの状態が変化すると考えられる場合などには、再認定が必要になることがあります。
知的障がいのある方を対象とした手帳です。
療育手帳は国の法律による全国一律の制度ではなく、各自治体が運用しているため、名称や判定区分が地域によって異なります。
たとえば「A・B」「A1・A2・B1・B2」など、自治体によって区分方法が異なる場合があります。
再判定の時期についても自治体ごとに異なるため、詳しくはお住まいの自治体に確認しましょう。
一定程度の精神障がいによって、日常生活や社会生活に制約がある方を対象とした手帳です。
対象となり得るものには、
統合失調症
うつ病
双極性障がい
てんかん
発達障がい
高次脳機能障がい
などがあります。
等級は1級・2級・3級です。
精神障害者保健福祉手帳の有効期限は2年間で、継続して利用する場合は更新手続きが必要です。
具体的な手続きは手帳の種類や自治体によって異なりますが、おおまかな流れは次の通りです。
医療機関などに相談する
必要な診断書や書類を準備する
市区町村などの窓口で申請する
自治体による審査・判定を受ける
交付が認められれば障害者手帳を受け取る
身体障害者手帳では指定医による診断書・意見書が必要となり、療育手帳では児童相談所や知的障害者更生相談所などによる判定が行われます。
精神障害者保健福祉手帳についても、医師の診断書などを用いて申請する方法があります。
必要書類や申請方法は自治体によって異なるため、実際に取得を検討する場合は、お住まいの市区町村の障害福祉担当窓口に確認してください。
障害者手帳にはさまざまなメリットがありますが、「働く」という観点で特に大きいのは次の3つです。
障害者手帳を取得する大きなメリットの一つが、障害者雇用枠への応募という選択肢が増えることです。
障害者雇用では、自分の障がいや必要な配慮について企業側に伝えたうえで働きます。
たとえば、
定期的な通院への配慮
勤務時間の調整
業務量・業務内容の調整
指示方法の工夫
静かな席への配置
休憩方法の調整
など、その人の状況に応じた合理的配慮について相談できる場合があります。
2026年7月からは、民間企業の障害者法定雇用率が2.7%に引き上げられており、企業における障害者雇用の重要性はさらに高まっています。
ただし、障害者雇用だから必ず自分に合うとは限りません。
求人内容や仕事内容、雇用条件、必要な配慮を確認したうえで、自分に合う職場を探すことが大切です。
障害者手帳を取得すると、障がいの種類や等級、自治体などによって、
所得税・住民税の障害者控除
公共交通機関の割引
公共施設の利用料減免
携帯電話料金など民間サービスの割引
といった制度を利用できる場合があります。
ただし、利用できる制度や条件は手帳の種類・等級・自治体・事業者によって異なります。
「手帳を持っていれば全国ですべて同じサービスが受けられる」というわけではないため、自治体や各サービス提供者に確認しましょう。
障害者手帳を取得することで、自分の障がいや困りごとについて整理し、医療・福祉・就労などの支援機関に相談するきっかけになることもあります。
ただし、ここで知っておきたい重要なポイントがあります。
就労移行支援や就労継続支援A型・B型などの障害福祉サービスは、「障害者手帳を持っていなければ絶対に利用できない」というものではありません。
利用できるかどうかは、障がいや疾病の状況、自治体による支給決定などによって判断されます。
「手帳を持っていないけれど、就労支援を利用したい」という方も、まずは市区町村や就労支援事業所へ相談してみることをおすすめします。
障害者手帳を取得することで、働けなくなったり、一般雇用に応募できなくなったりするわけではありません。
ただし、取得前に知っておきたい点はいくつかあります。
精神障害者保健福祉手帳には2年間の有効期限があり、継続して利用する場合は更新が必要です。
身体障害者手帳は原則として更新不要ですが、状態の変化が見込まれる場合には再認定が行われることがあります。
療育手帳の再判定時期は自治体によって異なります。
診断書の取得や役所での申請などに時間や費用が必要になる場合があることは、負担の一つといえるでしょう。
障害者手帳を取得しても、勤務先に必ず報告しなければならないとは限りません。
そのため、
「障がいを伝えて配慮を受けながら働くのか」
「障がいを伝えず一般雇用で働くのか」
という選択に迷う方もいます。
一般的に、障がいを企業に伝えて働く方法は「オープン就労」、伝えずに働く方法は「クローズ就労」と呼ばれています。
どちらが正解というわけではありません。
必要な配慮の程度、体調、仕事内容、本人の希望によって適した選択は異なります。
障害者手帳を取得しただけで、現在の勤務先へ自動的に通知されるわけではありません。
そのため、手帳を取得したことだけを理由に「会社に必ず知られる」と考える必要はありません。
ただし、
障害者雇用枠で働く
会社に合理的配慮を求める
障がいについて会社へ申告する
といった場合には、必要な範囲で障がいについて伝えることになります。
現在働いている方で、「会社に伝えるべきか迷っている」という場合は、主治医や支援機関などと相談しながら判断することも一つの方法です。
「障害者手帳を取得したら給料が下がる」ということはありません。
手帳を取得すること自体と給与は別の問題です。
一方で、障害者雇用求人には、勤務時間や仕事内容などが一般雇用とは異なる求人もあるため、結果として給与水準に違いが出るケースはあります。
ただし、
「障害者雇用=必ず給料が低い」
とも言い切れません。
給与は、
職種
雇用形態
勤務時間
スキル
経験
企業
などによって大きく変わります。
給与だけを見るのではなく、必要な配慮を受けながら長く働けるか、仕事内容やキャリアが自分に合っているかも含めて判断することが重要です。
▼障害者雇用とは?一般雇用と障害者雇用との違いなど分かりやすく解説についての記事はこちら
https://rehas-work.com/column/20241211
働き方は大きく次のように整理できます。
障がいについて企業に伝えず、一般求人へ応募する働き方です。
メリット
求人数・職種の選択肢が多い
幅広いキャリアを検討しやすい
注意点
障がいに対する配慮を会社へ求めにくい
体調悪化や困りごとを一人で抱えやすくなる場合がある
自分自身で体調管理ができ、特別な配慮がなくても働ける場合には選択肢の一つとなります。
障がいがあることや必要な配慮を企業へ伝えて働く方法です。
メリット
必要な配慮について相談しやすい
障がい特性を企業と共有したうえで働ける
注意点
求人の職種や条件には企業ごとの差がある
障がいについて一定の情報共有が必要になる
「一般就労を目指したいけれど、配慮がない環境では継続が難しい」という方にとって重要な選択肢です。
就労継続支援A型は、一般企業などでの就労が難しい方が、事業所と雇用契約を結んで働きながら支援を受ける障害福祉サービスです。
雇用契約を結ぶため、最低賃金をはじめとした労働関係法令が適用されます。
向いている可能性があるのは、
支援を受けながら働きたい
一定時間、安定して勤務できる
雇用契約を結んで収入を得たい
といった方です。
▼就労継続支援A型についての記事はこちら
https://rehas-work.com/column/20250924
就労継続支援B型は、一般企業や雇用契約に基づく働き方が現在は難しい方などに、生産活動や仕事の機会と、働くために必要な支援を提供する障害福祉サービスです。
A型との大きな違いは、事業所との雇用契約を結ばないことです。
そのため給与ではなく、作業などによって得た事業収入などを原資とした「工賃」が支払われます。
たとえば、
働くことから長期間離れている
まずは短時間・少ない日数から始めたい
体調に波がある
自分にできる仕事を見つけたい
将来的には一般就労を目指したい
という方にとって、働くための一歩を踏み出す選択肢になります。
▼就労継続支援B型についての記事はこちら
https://rehas-work.com/column/20240902
就労移行支援は、一般企業への就職を希望し、一定の支援を受けることで一般就労が見込まれる方を対象とした障害福祉サービスです。
事業所によって内容は異なりますが、
生活リズムの安定
PCスキル
ビジネスマナー
自己理解
障がい特性の整理
履歴書・職務経歴書の作成
面接練習
職場実習
求職活動
就職後の定着に向けた支援
などが行われます。
「今すぐ一人で就職活動をするのは不安だけれど、将来的には企業で働きたい」という方に適した選択肢の一つです。
▼就労移行支援についての記事はこちら
https://rehas-work.com/column/20250627
現在は、就労系障害福祉サービスとして「就労選択支援」という制度もあります。
就労選択支援は、本人の希望や得意なこと、苦手なこと、就労能力、必要な配慮などを整理しながら、自分に合った働き方や就労サービスを選択するための支援です。
「A型・B型・就労移行のどれが自分に合っているのかわからない」
という方にとって、自分の働き方を考えるための一つの仕組みとなっています。
「一般企業で働くのはまだ不安」
「働くことから長く離れている」
「まずは自分のペースで仕事を始めたい」
という方には、就労継続支援B型という選択肢があります。
株式会社リハスが運営・展開する「リハスワーク」は、就労継続支援B型事業所です。
リハスワークでは、単に作業する場所を提供するだけではなく、一人ひとりの「はたらく」を支えることを大切にしています。
株式会社リハスでは「医療・介護・福祉が地域でシームレスにつながる社会」を目指し、専門性を活かした支援を重視しています。
リハスワークでも、事業所や地域によって体制は異なりますが、医療・福祉の専門的な視点を取り入れながら、ご利用者様一人ひとりの状態や目標に合わせた支援を行っています。
「何の仕事ができるかわからない」
という状態から始める方も少なくありません。
リハスワークでは、木の商品づくりや軽作業、PCを使った仕事、施設外での仕事など、それぞれの事業所や地域に応じたさまざまな仕事に取り組んでいます。
実際に仕事を経験しながら、
「これは得意」
「このくらいの時間なら集中できる」
「こういう環境なら働きやすい」
と、自分自身の強みや働き方を見つけていくことも大切な支援の一つです。
B型を利用したら、ずっとB型で働き続けなければならないわけではありません。
本人の希望や状態に応じて、
B型 → A型 → 一般就労
あるいは、
B型 → 就労移行支援 → 一般就労
など、その先の働き方を目指すこともできます。
リハスワークでは、「今できること」だけでなく、ご利用者様がこれからどのように働き、暮らしていきたいのかという目標を大切にしています。
必ずしも、手帳を取得したことだけを理由に勤務先へ報告する必要があるわけではありません。
ただし、障害者雇用として働く場合や、障がいに関する合理的配慮を希望する場合には、必要な情報を会社へ伝えることになります。
いいえ。
障害者手帳を持っていても、一般求人に応募することはできます。
障害者雇用を利用するか、一般雇用で働くかは、本人の希望や状況によって選択できます。
障害者手帳を持っていないことだけで、必ず利用できないと決まるわけではありません。
障害福祉サービスの利用可否は、障がいや疾病の状況などを踏まえて自治体が判断します。
手帳を持っていない方でB型の利用を考えている場合は、お住まいの市区町村または利用を検討している事業所へ相談してください。
いいえ。障害者手帳を取得していても、一般雇用を選ぶことは可能です。
障害者雇用だから必ず長く働けるとは限りません。
大切なのは、
自分の障がい特性
必要な配慮
得意・不得意
仕事内容
勤務時間
職場環境
などが、自分と合っているかどうかです。
最初から自分だけで決める必要はありません。
市区町村の障害福祉窓口、相談支援事業所、就労支援事業所などに相談しながら、自分の現在の状態や将来の希望を整理していくことができます。
障害者手帳を取得したからといって、働き方が一つに決まるわけではありません。
一般雇用で働くこともできます。
障害者雇用で必要な配慮を受けながら働くこともできます。
また、今すぐ一般企業で働くことが難しい場合には、就労移行支援や就労継続支援A型・B型などを活用しながら、少しずつ「はたらく」準備を進める方法もあります。
大切なのは、
「障害者手帳を取るべきか」だけではなく、「自分はどのような環境なら、自分らしく働き続けられるのか」を考えることです。
「自分にはどんな働き方が合っているかわからない」
「B型を利用できるのか知りたい」
「まずは働く生活に慣れるところから始めたい」
そんな方は、一人で答えを出す必要はありません。
就労継続支援B型「リハスワーク」では、見学・相談を受け付けています。
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