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脳卒中・片麻痺でも仕事はできる?続かない...

2026/6/17

脳卒中・片麻痺でも仕事はできる?続かない原因や向いている仕事を解説

この記事でわかること

  • 脳卒中・片麻痺があっても「はたらく」ことはできるのか

  • リハビリが終わったあとの就労がなぜ難しいのか

  • 仕事が続かない原因と、それを踏まえた環境選びのポイント

  • 片麻痺・高次脳機能障がいのある方に向いている仕事の特徴

  • 就労継続支援B型(リハスワーク)という選択肢

脳卒中・片麻痺があっても、「はたらく」ことはできます

「脳卒中になったら、もう仕事は無理なのだろうか。」

退院後や在宅生活が落ち着いたころ、そんな思いを抱える方やご家族は少なくありません。

結論から言うと、後遺症の状態や程度にかかわらず、自分に合った環境を選べば、はたらくことは十分に可能です。

厚生労働省の令和5年(2023年)患者調査によると、脳血管疾患で治療を受けている総患者数は188万4,000人に上ります。これほど多くの方が治療を継続しながら地域で生活を送っており、そのなかには仕事を続けている方も少なくありません。

また脳卒中発症後の復職率は平均44%という研究報告もあり、発症後も仕事に戻ることは決して例外ではないことがわかります。

大切なのは「できるか、できないか」で判断することではなく、どのような環境であれば、無理なく続けられるかを整理することです。

脳卒中・片麻痺とはどのような状態か

就労を考えるうえで、まず後遺症の特徴を整理しておきましょう。

片麻痺

脳梗塞などにより脳や神経が損傷することで、右脳に後遺症が残った場合は体の左側に、左脳に後遺症が残った場合は体の右側に症状が出ます。片麻痺を発症すると体を動かしにくくなり、特に指先を使った細かい作業ができなくなったり、足首を曲げられなくなったりすることが代表的な症状です。

高次脳機能障がい

脳卒中の後遺症として、運動機能だけでなく、記憶・注意・遂行機能などの「脳の働き」に影響が出ることがあります。「物事を順番通りに進めにくい」「複数のことを同時にこなせない」「疲れやすい」といった形で仕事の場面に現れやすいです。

易疲労(疲れやすさ)

脳卒中発症後は、体力の低下(易疲労)が生じるケースが多く存在します。通勤だけで疲れてしまい、会社に着いても仕事ができない、ということも予想されます。

リハビリが終わったあとの「空白」という問題

多くの方が経験する課題として、退院後・リハビリ終了後の「仕事への道がみえない」という時期があります。

脳梗塞や脳出血により最長半年のリハビリを実施しても、何かしらの後遺症が残る可能性があります。そしてリハビリテーションは、まずは元の在宅生活に戻れるようにゴール設定されて進めることが多く、必ずしも職場への復帰や転職が支援される環境ではありません。リハビリ期間が終了した場合は、必要に応じて「仕事復帰」をサポートしてくれる地域機関を利用することが求められます。

つまり、リハビリが終わったあとの「就労へのつなぎ」が、最も支援が手薄になりやすい時期でもあるのです。

リハスワークは、この「つなぎ」の部分を担う存在として、作業療法士・理学療法士が在籍したうえで就労訓練を提供しています。

仕事が続かない主な原因

① 疲労が蓄積しやすく、ペース管理が難しい

脳卒中後に職場に戻った方は仕事に慣れようと一生懸命になり、過剰適応になる傾向が見受けられます。こうした状態が長く続くと、疲労が蓄積し、朝起きられない、午後まで体力が持たないなどの影響が出現してきます。

「働けている」という安心感から無理をしてしまい、ある日突然動けなくなる——この繰り返しが、仕事が続かない大きな要因のひとつです。

② 通勤そのものが体への大きな負担になる

片麻痺のある方は、歩行の不安定さや手すりのない場所での移動、バスや電車での立ちっぱなしなど、通勤時点ですでに多くのエネルギーを消費します。職場に着いたときには疲労が溜まっている、という状況になりやすいです。

③ 職場の理解・配慮が得られにくい

片麻痺や高次脳機能障がいは、外見からは分かりにくいことがあります。「見た目は普通なのに、なぜできないのか」という周囲の誤解が、本人の精神的な消耗につながることがあります。

④ 利き手への影響による作業制限

片麻痺とは脳梗塞の後遺症の1種です。片麻痺を発症すると体を動かしにくくなってしまいます。特に指先を使ったりするような細かい作業ができなくなったりすることが代表的な症状としてあります。利き手側に麻痺がある場合、これまで当たり前にできていた作業が難しくなり、自信を失いやすくなります。

⑤ 仕事内容と後遺症の特性がかみ合っていない

2024年の研究では、世界中のデータをまとめて検証した結果、体を使うことが多い「ブルーカラー」の職業よりも、事務や管理職などの「ホワイトカラー」の職業の方が脳卒中後の復職しやすいことが示されています。これは体力負荷の問題だけでなく、自分のペースや代替手段を使いやすい環境かどうかが、継続に大きく関係しているということです。

向いている仕事の特徴

片麻痺・高次脳機能障がいのある方が「続けやすい仕事」には、次のような共通点があります。

✅ 手順が明確で変化が少ない

毎回異なる判断が求められる仕事は、注意・遂行機能への負荷が大きくなります。決まった手順を丁寧にこなせる環境が向いています。

✅ 自分のペースで進められる

時間に追われる仕事や、休憩を取りにくい環境は疲労を加速させます。自分のリズムで作業できる仕事が、長続きのカギになります。

✅ 身体的な負荷が調整できる

立ちっぱなし・重い荷物の移動・細かい両手作業が必要な仕事は、片麻痺の影響を受けやすい環境です。座位中心・片手でも対応しやすい作業環境が適しています。

✅ 体調に合わせて勤務時間を調整できる

片麻痺や脳性麻痺の症状が重い方や、通院・服薬により長時間の労働が厳しい方は、福祉的就労での就職を目指してみてもよいかもしれません。福祉的就労とは、就労継続支援事業所ではたらくことであり、賃金をもらいながら就労やスキルアップの機会の提供・サポートが受けられます。

具体的な仕事の例

仕事の種類

片麻痺のある方に向いている理由

軽作業・梱包・仕分け

手順が明確・立ち作業と座り作業を選べる・片手でも対応できる作業が多い

農作業(農福連携)

季節に合わせたリズム・自然環境・体を動かすことでリハビリ効果も期待できる

データ入力・文書整理

座位作業が中心・自分のペースで進めやすい・音声入力などの代替手段も活用できる

清掃・環境整備補助

ルーティン性が高い・動作のパターンが定まっている

ものづくり・手工芸系

細かさの調整ができる・達成感を得やすい・作業療法的なアプローチとも親和性が高い

向いていない環境(避けた方がよい条件)

仕事の「種類」よりも「環境・条件」が合わないことが、続かない大きな要因になります。

  • 長時間の立ち作業・重量物の取り扱い:身体への負荷が大きく、転倒リスクも高い

  • 変則シフト・夜勤:生活リズムの乱れが疲労と症状の悪化につながりやすい

  • 高いノルマ・成果主義:焦りからの過剰適応→燃え尽きのパターンに陥りやすい

  • 複数の業務を同時並行で進める仕事:高次脳機能への負荷が大きい

  • 人の視線が多い・騒がしい環境:注意の分散や精神的消耗につながりやすい

仕事を長く続けるためのポイント

① いきなり「元通り」を目指さない

発症前と同じ働き方を目指すことが、最初のつまずきになるケースがよくあります。まずは「週2〜3日・数時間から」という小さなステップで始め、体調と相談しながら少しずつ増やしていくことが、長く続けるための確実な方法です。

② 通所の負担を減らす工夫をする

通勤・通所の疲労は、思っている以上に大きな消耗になります。送迎がある事業所や、在宅ワークに対応した就労支援を選ぶことで、本来の活動にエネルギーを使える環境を整えることができます。

リハスワークでは、送迎対応・在宅ワーク対応の事業所があり、通所が難しい方にも選択肢があります。

③ 定期的に相談できる人・場所をつくる

定期的に本人と面談し、仕事と休息のバランスが取れているのか確認しあう時間を作ることも大切です。体調の変化を一人で抱え込まず、支援者や専門職に話せる環境をつくっておくことが再発予防にもつながります。

④ 医療との連携を切らさない

通院・服薬の継続は、体調の安定の基盤です。仕事が始まると「忙しくて受診が後回し」になりがちですが、受診の継続と仕事をセットで考えることが重要です。

⑤ 自分の「疲れのサイン」を知っておく

頭が重い・集中できない・いつもより歩き方がぎこちない——こうした「いつもと違う」サインを早めに把握し、無理になる前に休める環境を整えておくことが、長く働き続ける鍵になります。

リハスワークという選択肢

リハスワークは、就労継続支援B型として、「はたらく」ことをあきらめていなかった方の、最初の一歩を支える場所です。

医療専門職が在籍しているから、「はたらくリハビリ」ができる

病院のリハビリは「日常生活への復帰」を目標にすることがほとんどで、退院後の「仕事」まではカバーしきれないことがあります。

リハスワークには作業療法士・理学療法士が在籍しており、ものづくりや軽作業を通じながら、からだの動かし方・疲れの出方・作業ペースを専門的な視点でアセスメントします。これは一般の就労支援事業所にはない、リハスワーク固有の強みです。

ご利用者様の声

「自分は脳卒中を数年前に患いました。退院後は介護保険でデイサービスと訪問リハビリを使っていましたが、"介護を受ける"ということに年齢的にまだ違和感があり、悲しかったです。ところがリハスワークを利用することになり、仕事を通してこんな自分でもまた役に立てることがあるんだ!と再認識し、嬉しい気持ちです。」

このコメントが示すように、リハスワークの仕事は「訓練」ではなく、地域のなかで実際に役立つ「はたらく体験」です。

こんな方に特に向いています

  • 退院後・リハビリ終了後で、次のステップを考え始めた方

  • 一般就労はまだ難しいが、何かしたいと思っている方

  • 介護保険のサービスだけでは物足りなさを感じている方

  • 通所が難しく、送迎や在宅ワーク対応を探している方

活用できる就労支援の種類

支援の種類

特徴

就労継続支援B型(リハスワーク等)

雇用契約なし・自分のペースではたらける・障がい者手帳がなくても利用可能(診断書で対応できる場合あり)

就労継続支援A型

雇用契約あり・最低賃金保障。体調が安定してきたら検討

就労移行支援

一般就労を目指す方向け。職場実習・就活サポートが中心

障がい者雇用(オープン就労)

企業に障がいを開示して就職。合理的配慮を受けやすい

ハローワーク 専門援助窓口

障がいのある方向けの専用窓口。障がい者手帳がなくても相談可能

まとめ

  • 脳卒中・片麻痺があっても、環境を整えれば「はたらく」ことは十分に可能

  • リハビリ終了後の就労支援の空白期間こそ、専門的なつなぎが必要

  • 仕事が続かない主な原因は「疲れやすさ・通勤負担・環境のミスマッチ」

  • 向いている仕事の特徴は「手順が明確・自分のペース・身体負荷が調整できる」

  • 就労継続支援B型は雇用契約なしで自分のペースではたらける最初の選択肢

  • リハスワークは医療専門職(OT/PT)在籍・送迎あり・在宅ワーク対応で、退院後〜次のステップを支える

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